たんぱく質は人間の身体を構成する重要な栄養素で、筋肉のほかにも内臓や髪の毛、皮膚や爪などもたんぱく質でできています。
筋肉はこのたんぱく質を元にしてできているほか傷ついた筋組織を修復したり、元よりも強くしたりといった働きもあるのですが、それをサポートするのもたんぱく質になります。
筋トレをしている人はこの流れが繰り返されることになりますので、筋トレをしていない一般の人よりも必要量が多くなってきます。
今回は、筋トレ初心者に必要なたんぱく質の摂取量を解説していきたいと思います。
たんぱく質が筋肉に必要な理由
筋肉は人間の身体のなかでも40%ほどを占めていて、身体を動かすためには必ず使います。
普段の生活のなかでも筋肉を使った動きはさまざまありますが、筋肉は負荷がかかるとダメージを受けて筋肉の組織である筋繊維が壊れていきます。
筋繊維が壊れてしまうと、身体はそれを修復しようと働きますが、そのときに必要になってくるのがたんぱく質です。
ここで必要な量のたんぱく質が摂れていないと、筋肉は修復することができずに退化してしまいます。
また、必要量のたんぱく質が身体の中にないと、身体は筋肉を分解してたんぱく質を作り出すので、これも筋肉量が減少してしまう原因になります。
筋トレをしている人は、せっかくトレーニングをしても必要な量に達していない場合は筋肉が増えるどころか減少していってしまいます。
そういった事態を避けるためにも、自分に必要な量のたんぱく質を摂るようにしましょう。
筋トレ初心者に必要なたんぱく質摂取量とは?
筋トレをする人はたんぱく質が通常よりも多く必要になってきますが、筋トレ初心者に必要な量はいくらになるのでしょうか。
ここでは男性・女性と分けて必要なたんぱく質を見ていきたいと思います。
男性
成人男性が摂るべきたんぱく質の量は以下の通りです。
体重1kgあたり0.8~1.0g
体重60kgの男性:1日48~60g
こうしてみると意外と少ないと思うかもしれませんが、筋トレをする人は体重1kgあたり1.2~2.0g摂取する必要があると言われています。
その場合は、
体重60kgの男性:1日72~120g
というように、平均90g前後のたんぱく質が必要になってきます。
大きく差が空いているのは運動強度によって変わってくるからなのですが、初心者はまだ運動強度が低いので、この場合は体重1kgあたり1.2~1.5gほどのたんぱく質が必要になってくるでしょう。
女性
成人男女性が摂るべきたんぱく質の量は以下の通りです。
体重1kgあたり0.8~1.0g
体重50kgの男性:1日40~50g
女性の場合は平均45g前後のたんぱく質が必要になってきます。
筋トレをしている人であっても男性ほどの量のたんぱく質は必要としません。
筋トレ初心者の人は体重1kgあたり1.1~1.7g摂取する必要があるので、
体重50kgの男性:1日55~85g
となりますが、筋トレを毎日1時間ほど行う人であれば70gを目安に取り入れましょう。
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たんぱく質が多い食べ物
たんぱく質は食事から摂取することができ、良質なものを摂るようにしたいところ。
ここでは食事に含まれるたんぱく質量や、たんぱく質含有量が多い食材についてご紹介してきます。
肉類
たんぱく質(g) | |
牛ばら肉 | 12.5 |
牛もも肉 | 19.5 |
牛ヒレ肉 | 21.3 |
豚ヒレ肉 | 22.8 |
豚もも肉 | 20.5 |
豚ばら肉 | 14.2 |
鶏もも肉 | 16.2 |
鶏むね肉 | 19.5 |
鶏ささ身 | 23.0 |
肉類は動物性たんぱく質が豊富に含まれていて、摂取後はすばやく体内で利用・吸収されていくので身体により早く働きかけるのです。
たんぱく質含有量もかなり多めで、筋トレをしている人には積極的に食べて欲しい食材となっています。
魚類
たんぱく質(g) | |
さんま | 18.5 |
さば | 20.7 |
ほっけ | 17.3 |
かつお | 25.8 |
うなぎ | 17.1 |
あゆ | 18.3 |
穴子 | 17.3 |
肉類に劣らず、魚類もたんぱく質が豊富なうえに魚介類にはEPAやDHAが含まれていて、血管の脂肪やコレステロールが気になる人やアレルギー体質の人に特におすすめです。
代謝に必要なビタミンも多く含まれているので、筋トレ後に必ず食べたい食材となっています。
乳製品
たんぱく質(g) | |
ヨーグルト | 3.6 |
低脂肪牛乳 | 3.8 |
クリームチーズ | 8.2 |
バター | 0.6 |
パルメザンチーズ | 44.0 |
乳製品は肉類や魚類に比べてたんぱく質の量は少ないですが、調理しなくても気軽に食べられるのがメリットです。
筋トレをしている人はプロテインを飲むことが多いかと思いますが、そのときに牛乳で割って飲むことでさらにたんぱく質を摂ることができます。
その他
その他は卵や大豆製品(豆腐・納豆・きな粉、豆乳)などからもたんぱく質を摂ることができます。
特に卵は茹でることによって腹持ちが良くなるので、食事や間食としても大変おすすめです。
卵や大豆製品は食事の副菜として取り入れることで、バランスの取れた食事内容になるので積極的に食べていきたいものですね。
たんぱく質を摂るタイミングは?
たんぱく質を特に摂りたいタイミングは、筋トレ終了後30分以内です。
その間は筋肉がダメージを受けて修復をしている最中ですので、たんぱく質を取り入れることによってさらに筋肉へと働きかけます。
基本的には1日3食の食事からバランス良く摂ることが大切で、1日に必要なたんぱく質摂取量の3分の1ずつ取れるのが理想です。
1度に大量のたんぱく質を摂っても身体が吸収しきれないので、使われなかったたんぱく質は脂肪へと変換されてしまいます。
こまめにたんぱく質を補給することで、筋肉に届きやすくなって筋トレのサポートをしてくれるでしょう。
まとめ
今回は筋トレ初心者に必要なたんぱく質の摂取量の他にも、含有量が多い食材や男女別のたんぱく質摂取量の目安などをご紹介しました。
たんぱく質は筋トレをしていない人でも大切な栄養素ですが、トレーニングをするとなるとさらに必要な量が増えていきます。
積極的にたんぱく質が摂れる物を食べて、理想の身体をつくっていきましょう!