筋トレをする際、重要なとなるのが鍛えたい部位に応じたトレーニングをすることで、ただがむしゃらにトレーニングをするだけでは十分な効果を得ることはできません。
筋トレというと、腕や脚、胸などをイメージしがちですが、忘れてはいけないのが脇下の筋肉です。
脇下には、重要な役割を果たす筋肉がいくつかあって、大円筋はその一つ。
この記事では縁の下の力持ちと言われる脇下の筋肉である大円筋について、大円筋ってどんな筋肉?効果的なトレーニング法は?など疑問を解消していきます。
脇下にある大円筋ってどんな筋肉?
大円筋と言われても、よほど筋肉マニアやトレーニングを続けている人でなければ知らない方も多いかと思います。
そもそも脇の下の筋肉自体それほど知名度が高くありませんし、ましてや重要な働きを担っていることなどあまり知られていません。
でも、脇の下の筋肉は私たちが身体を動かすためになくてはならない筋肉です。
そんな大円筋についてご紹介します。
大円筋の働きとは
大円筋とは、肩を動かすために必要となる筋肉であり、肩関節を伸ばしたり縮めたり、内側に回したり…と全ての肩の動きに密接に関わっています。(※ちなみに、外旋に関しては小円筋の作用となります)
肩甲骨の下あたりに位置していて、肩甲骨と上腕骨に繋がって、そのまま脇の下まで続いています。
非常に重要な役割を担っていながら、小さな筋肉なのでトレーニングしづらい筋肉でもあります。
大円筋以外の背中の筋肉とは?
肩から脇にかけての背中には大円筋以外にも小円筋と広背筋という筋肉があり、それぞれに違った役割を担っています。
大円筋と名前が良く似た小円筋は、肩関節の外旋の役割があります。前述したように、大円筋は内側に回す内旋と伸展が主な役割なので、大円筋と小円筋が相互に作用することで肩を回したり後ろに伸ばしたりすることができています。
また、広背筋は背中から腰、腕へと広がる比較的大きな筋肉です。開いた腕を開くときや、後ろに上げるときなどに使われ、大円筋はこの広背筋をサポートする役割があり、「広背筋の小さなヘルパー」とも言われています。
脇下・大円筋を鍛えるメリット3選
大円筋に限らず、各筋肉を鍛えることで得られるメリットは異なります。だからこそ、どこをどうしたいかという具体的な目的やイメージを持ってトレーニングを行うことにより、より効果的に鍛えることができます。
続いては、大円筋を鍛えるメリット3選をご紹介します。
その1:キレイな逆三角形ができる
大円筋は、小さいながらも背中からみた逆三角形の上部である脇周辺部分の筋肉です。そのため、大円筋を鍛えることにり、上部に広がりがうまれてキレイな逆三角形を作ることができます。
メリハリのある背中は、トレーニングをした者だけが得ることができる賜物です。
その2:広背筋の働きがスムーズになる
前述したように、大円筋は広背筋の働きをサポートする役割を担う筋肉です。そのため、大円筋を鍛えることにより、広背筋の動きをスムーズにし、広背筋がより一層力を発揮しやすくなります。
広背筋のパワーが必要となる懸垂などを達成するためには、大円筋も同時にトレーニングしていく必要があります。
その3:肩こりの解消
慢性的な肩こりでお悩みの方は、大円筋をほぐして鍛えることで肩こり解消に繋がります。
肩がこっていると、肩ばかりを重点的に揉み解しがちです。しかし、肩こり解消には肩で部分が大きなカギを握っているケースも多く、大円筋もそのうちの一つです。
大円筋の筋力が衰えると、どんどん前に引っ張られて猫背になってしまいます。
猫背は肩こりの最大の敵!そのため、普段から猫背にならないよう意識することはもちろん、筋肉が前に引っ張られることのないよう、しっかりと大円筋・小円筋をほぐしてトレーニングをしておくようにしましょう。
大円筋の効果的な鍛え方
大円筋は、腕や脚などの目に見える場所にあるわけではなく、脇の下に隠れているからこそトレーニングしづらい点が難点としてあります。
目に見えないからこそ、トレーニング方法が分からずその結果何もせず放置されてしまいがち…。
見えなくても大円筋は非常に重要!だからこそ、効果的なトレーニングでしっかり鍛えるようにしましょう。
ラットプレス
ラットプレスは、一番簡単な大円筋を鍛えるトレーニングです。
ラットプレスの効果的な方法がこちらです。
- 椅子を用意する
- 椅子を前に直立する
- 腰を落とし、両腕で身体を支える
- 肩の力を抜き、背中に負荷をかける
- 肩に力を入れて身体を上に持ち上げていく(この際、足の力で持ち上げない)
- 1回につき10回を3セット行う
椅子さえあれば、場所を選ばずにトレーニングすることができます。
ワイハンドローイング
ワイハンドローイングとは、ダンベルと身体を預けるための椅子や台を用いたトレーニング法です。ダンベルがない場合には、1,5~2リットルのペットボトルに水を入れたもので代用してもOKです。
- 左右のどちらかに、椅子か台をおいておく
- 片手にダンベルを持つ
- 反対の腕を伸ばし、椅子や台の上に掌をおく
- 椅子に置いた手と同じ方の足を椅子や台の上におく
- 胸を張り、肩甲骨を寄せるイメージでダンベルをあげていく
- 十分に負荷を感じたら、ゆっくりと元の位置に戻す
- 10回×3セット行う
ダンベルプルオーバー
ダンベルプルオーバーとは、ベンチとダンベルを用いたトレーニング法です。ダンベルは先ほどのワイハンドローイングと同様ペットボトルでも代用可、ベンチも頑丈な台や椅子で代用することができます。
- ベンチや台の上に、肩甲骨付近だけのせて仰向けになる
- 両手でダンベルの片方を持つ
- 頭の上から真上に向かってダンベルを持ち上げる
- 背中に負荷を感じたら、ゆっくり元の場所に戻す
- 12~15回×3セット行う
プルオーバーは、大胸筋を縦方向に伸ばすことができる唯一のトレーニング法であり、普段伸ばさない方向にストレッチをすることができるので、凝り固まった筋肉をほぐして血流改善に繋がります。
大円筋はもちろん、上半身全体を鍛えてコリを解消することができるトレーニング法なので、ぜひ取り入れてみてください。
脇下・大円筋の鍛え方を取り入れてスムーズな動きをget!
大円筋と、大円筋を鍛えるメリットやトレーニング法についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
身体にはいたるところに筋肉があり、それぞれに違った役割を担っています。
目につく場所だけでなく、見えない場所の筋肉に関してもしっかりトレーニングしておくことで、スムーズな動きを取り入れることができます。
今回ご紹介した大円筋は、上半身の動きに重要な脇の筋肉の一つであり、鍛えることで嬉しい効果がたくさんあります。
普段意識しない筋肉だからこそ、日ごろのトレーニングに取り入れてみてはいかがでしょうか?